こうするべきという「当たり前」が子育てを辛くし、「当たり前」ができない子どもを否定していると、育児はもっと辛いものになりがちです。
また、内心子どもを否定して、信じられない時、その背景にはお母さん自身が自分を否定している場合もみられます。
子どもを信じて、受け入れるためには、お母さんの「自己受容」が必要になるのです。
前の記事で自己受容のやり方についてお伝えしました。
今よりラクで楽しい子育てにしませんか?「自己受容」で「当たり前」を見直そう!
まずはそちらを見てくださいね。
自己受容は、3つのステップで取り組みます。
しかし、自己受容を、実際取り組んでみて、
「やってみたけど、いい気分にならない」
「こんなんじゃダメだ、と思って、もっといやな気分になる」
と思う方もいらっしゃると思います。
私も、最初は、「無意味じゃない?」と思ったり、「なんだか無理…」と嫌悪感を感じていました。
自己否定や自分へのダメ出しが強い場合は、取り組みがたく感じ、その分伸びしろもあるようです。
自分には必要で、うまくできないけれど、取り組んでみたいと思う場合、成功のためのコツがあります。
自己受容を深めるための、取り組みのコツをお伝えしたいと思います。
STEP1(自動的にでてきた思考と感情をみつける)でつまづいた時
マインドフルネス瞑想との相乗効果
step1では、まずは嫌な気分になった時、自動的にでてきた思考と感情をみつけます。
しかし、不安や怒りに気づくことができず、怒りが爆発して、相手を責めて、それを後悔するような場合もあります。
怒りが爆発して、止められない場合は、マインドフルネス瞑想との組み合わせがおすすめです。
マインドフルネス瞑想では、思考がでてきたら、それに気づいて、呼吸や動作に注意をむけることをくりかえします。
その訓練の中で、感情が爆発する前に、その感情に気づいて、自力で爆発をふせぐ事ができるようになってきますよ。
Step2(自分に共感する言葉をかける)でつまづいた
ほっとできずに、もっと批判してしまう時
step2では、気持ちを我慢したり、否定するのでなく、自分に共感の言葉をかけます。
基本的には、受容的で優しい言葉をかけて、自分がほっとできればいいでしょう。
ただ、「~したっていいよね」など、肯定の声掛けをしたときに、「いいわけない」と否定が出てくる人もいます。
「思考」を肯定すると、後から否定的な考えが後からわいてでてきやすいのです。
なので、その場合は「感情」に共感しましょう。
「そんな事言われたら、怒るよね」のように、感情に共感すると、後から否定はでてきづらいですよ。
感情を感じると一層腹が立ち、攻撃的になる時
自分が感じている感情が「怒り」や攻撃的な感情だった時は、感情を感じようとすするほど、更に怒りが増える事があります。
怒りは2次感情と言われており、実はその元には別の感情があるといわれています。
元の感情は1次感情と言われ、それを探る事がおすすめです。
攻撃的な感情(怒り、イライラ、妬み、恨み)が出てきたら、それを感じた後、第一感情を探り、そちらも感じます。
「あんなこと言われて腹が立った!(怒りを感じた後、一次感情を探す)・・・・・・頑張ってきたことを否定されたみたいで、悲しかったんだね」
一次感情には、悲しみ、焦り、不安、劣等感などがあります。
そして、一次感情もしっかり感じて、「あんな風に言われたら、悲しくなるよね」と受容的に扱いましょう。
どんな言葉をかけても落ち着けない時(感覚編)
自分にどんな優しい言葉をかけても、気持ちがおちつかない、気分が悪いだけというときもあると思います。
そんな時「不安に思ってるんだね」と感情だけ認めながら、手を胸の上においたり、頬にあてたりして、心地よいところに手をあてます。
両腕を自分で抱きしめると、落ち着いてくることができますよ。
スージングタッチと呼ばれ、温かい感覚が自分をおちつかせて、温かさと一緒に共感的な言葉も受け入れられるようになってきます。
私は、どんな優しい言葉をかけても気分が悪い時は、胸の上に両手をおくと、気持ちが楽になることがありました。
思考で対応して、ダメな時は、感覚で自分に優しさを送りましょう。
どんな言葉をかけても落ち着けない時(思考編)
上で紹介したことをすべてやっても、「否定する言葉ばかりでてきて、進まない…」と感じている場合、もう一つ方法があります。
親の言葉や学校などの影響で、かなり昔に「こうするべき」と思いこむようになっていることがあります。
その原因となった出来事を思い出し、今の自分にとって必要かを見直して、「当たり前」を緩めるよう整理していく方法があります。
かなり長くなるため、別の記事で紹介していこうと思いますが、過去にできた「当たり前」を整理する方法をわかりやすく書いている本を紹介したいと思います。
『完全版 鏡の法則』野口嘉則著です。
鏡の法則は二冊あり、詳しく解説されているのは、「完全版」の方です。注意してくださいね。
昔、必要だったかもしれないけれど、今の自分に、その「当たり前」が必要ない事に客観的に気づくと、否定を緩めたり、やめる事ができるようになります。
本は、いじめにあう子どもを持つ母親が、コンサルタントとの話から多くの気づきをえて、自分の親と和解する話です。物語による例と解説が充実していますよ。
STEP3(「当たり前」とおもう考えを緩める)でつまづいた時
step3では、落ち着いたら、自分を苦しめている、「当たり前」と思う考えをゆるめます。または、どんなふうに考えたら、自分が楽になるか、幸せになるかを考えます。
しかし「当たり前」緩める考えがでてこなくて、出来ない!と思ってしまう場合もあります。
考え方も自分のパターンがあるので、一人でやると行き詰まりやすく、信頼できる誰かに相談してみたり、カウンセラーと相談する事もできますね。
認知行動療法を取り扱っているカウンセラーだと、思考の取り扱い方に、たけている可能性が高いですよ。
自動思考を書き換えようとして、一層イライラしたり、腹が立ったり、気持ちが高ぶる事もあります。
そんな時、マインドフルネス瞑想を続けると、わきでてくる感情や思考が、自分の妄想であると次第に客観視できて、おちつけるようになってきます。
STEP3の思考を緩める事ががくるしい時は、STEP2の優しい言葉がけまででも十分効果があるので焦らず取り組みましょう。
いかがでしたか?
マインドフルネスと組み合わせる事で、自己受容の取り組みは深まっていきます。
多様な生き方があり、多様な価値観がある事を子どもに教えたいと思いつつ、自分の子どもが一般的な価値基準から外れると、不安で怒ってしまう。
子どもを否定する背景には、お母さんの自己否定が隠されているかもしれません。
でも、本当は、親子で楽しい時間を過ごしたかったのではないでしょうか?
自分の気持ちを受け入れ、「当たり前」を緩めることで、目の前の子どもを受け入れられるようになって、親子の時間をとりもどしていきましょう。
自己受容ができない時のコツ 後編もあります。
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