発達障害の子どもが、ゲーム、ユーチューブの見過ぎで困っていませんか?
コロナの影響でおうち時間が増え、発達障害の子どもがゲーム、ユーチューブばかり見ていてやめられない。
ゲーム依存という言葉が頭をよぎってしまう。
ルールを守ることができなくなり、ゲームやユーチューブとの付き合い方に悩んでいませんか。
ルールを守らなくなってきた子どもを繰り返し注意し、怒ってしまい関係が悪くなっていく・・・。
我が家も、小学生の子どものゲームやユーチューブとの付き合い方に悩みました。
いろいろ相談し、調べた中で、ゲームやユーチューブと付き合ううえで、ルール作りと、それ以上に大事なことについてお伝えできればと思います。
発達の特性から「はまる」理由をしろう!
ここでは子どもがどうして、そこまでゲームやユーチューブにはまってしまうのか、発達の特性から理解したいと思います。
熱中するしくみや、やめられない理由が分かれば、親のイライラが少しはおさまるのではないでしょうか。
切り替えが苦手
発達障害の子どもは、切り替えが悪い特性を持っている場合があります。
「やりたいことをやめる」、「やりたくない事をはじめる」事は苦手です。
これは脳の発達が影響しているので、自分でコントロールをすることはなかなか難しいです。
熱中しているゲームをすぐにやめる事は親が思うより簡単ではないのです。
自閉傾向の子どもは余暇の過ごし方やコミュニケーションが苦手
自閉傾向の子どもは余暇の過ごし方が苦手で、自由時間にやる事を、自分で選ぶことが難しく、そこで困ってしまう子どももいます。
我が家の子どもも「退屈な時間をどうしたらいいかわからない」と言います。
その、どうしたらいいかわからない時間を、「お勧めの動画」で次々に提案してくれるユーチューブに頼ってしまうのは無理のない事かもしれません。
また、不安の強いタイプの子どもは、暇な時間に過去の嫌なことを思い出しては、苦しみやすい傾向があります。
そんな苦しい時間をゲームやユーチューブで、まぎらわそうとしているのかもしれません。
そう思うと、ゲームを制限された、何をしたらいいかわからない余暇時間は、子どもにとって、とても苦しい時間を強いているのかもしれません。
また、コミュニケーションが苦手な自閉傾向の子どもには、表情や空気を読むなど非言語の要素を理解することが苦手です。
それらが少なくなるオンラインのコミュニケーションの方が理解しやすく、居心地がいい場合もあります。
ADHD傾向の子どもは退屈を嫌う
ADHDの子どもは退屈さを嫌う傾向があります。
ゲームは熱中するしくみを理解した大人が、意図的にハマるようにゲームをつくっています。
オンラインゲームなどは片時もプレーヤーを退屈させないように、さまざまな仕掛けを凝らしています。
次々起こるクエスト、達成したら即座にもらえる経験値や報酬。仲間やキャラクターが追加されていく。
ゲームは絶えず面白さを提供してくるので、退屈せずに続けられ、退屈を嫌う脳の仕組みを持つ子には、はまりやすいのです
ルールの作り方について
衝動性のコントロールが難しい特性がある子もいるので、親が事前に環境をつくってあげる必要はあります。
いけないとわかっていても、見たいと思うものが目に入れば、ルールのことは頭にうかばず、衝動的にみてしまいます。
そんな時、本人も後で自己嫌悪に陥っています。
ペアレンタルコントロールで、必要以上に目に入らないように、事前に設定しておきましょう
事前の環境の設定
子どもと相談しながら、設定しておきたい項目についてお伝えします。
・使用時間の制限
一日何時間まで利用するか相談して決めます。
また、夜はオンラインゲームで盛り上がり、ゲームにハマりやすい時間です。また夜の睡眠に影響するので、強い希望がなければ、使用できないように時間を設定しておくとよいでしょう。
・使用場所
使う場所はリビングにして、自室やトイレには持ち込むと、つい続けてしまうので、持ちこまないほうが安心です。
・アプリや課金について
使っていいアプリを決めてその他は使用できないように設定し、課金はお小遣いの範囲にするなど決めておきます
・ユーチューブ視聴動画の年齢制限を設定する
ユーチューブはファミリーリンクを使用することで、通常の制限モードより、年齢制限の設定をこまかくできるようになりました。
つい見てしまった、ついやってしまったにならないよう、タブレットやスマホの環境設定をしておきましょう。
ルール作りはいっしょにやる
問題が起きてから無理に取り上げると、子どもとの関係は悪化しがちです。
納得できる方法はこどもによって違います。
勝手にルールとペナルティーをつくると、反発心だけがそだって、親子関係が悪化してしまうこともあります。
時間になったからと言って、ゲームの途中で切られるのだけはやめてほしいなど、子どもにもいろいろ要望があります。
これは嫌という方法で強制的に終了しても、関係を悪くするだけです。
・一日〇〇時間にする。
・終了10分前にはタイマーで予告する のように
子どもと親で折り合いをつけながらルールをつくります
こころが満たされないと、ゲーム、動画に傾く
学校で友達とうまくいかない
勉強がわからない
いろいろな悩みで子どもの心が満たされないと、ゲームや動画の視聴が長くなります。
そんな時に、ゲームをやめさせようと、きつく注意すると、親子関係は悪化します。
親子関係が悪くなってきて、家での時間がくつろげない雰囲気になってくると、
ゲーム、動画の視聴時間はさらに伸びていきます。
こんな時に必要なのは、ゲームをやめさせるために一生懸命注意することではありません。
まず、親子関係を、安心できるよい状態にすることです。
親子関係がよくないのに、ゲームや動画の視聴を制限するのは、とても難しいと思ってください。
では、どうやって親子関係を良いものにとりもどすか。
親子関係をよい状態にするためには、「褒める」「認める」「受容」が有効です!
「褒める」「認める」「受容」は、こちらを見てくださいね。
発達障害の子どもがユーチューブ、ゲームのやりすぎる!その対策は?【コミュニケーション編】
ルールと制限だけでなく、体験につなげる
発達の特性との兼ね合いで、いっそうにゲームやユーチューブにはまりやすい発達障害の子どもたち。
結局ルールを守れないタイミングがでてきて、うまくいかないと感じています。
次第にルールを守れなくなり、約束を破ることになり、親とのもめごとを繰り返し、結局自己肯定感をさげるだけに傾きがちです。
ルールがないと、いつまでも気づかずにやってしまうので、やりすぎないようにルールを設けたり、環境設定する必要はあるでしょう。
ルールを設けつつも、ユーチューブやゲームを利用して、別の活動と体験につなげ、学びにつなげる視点があるほうが、全体としてうまくいくように感じます。
ルールの作り方や、体験へつなげるヒントをお伝えできればと思います。
暇な時間に何をするか決めておく
家で暇になると、ゲームをついやりたくなるので、この暇な時間に、どんな事をやるか事前に考えておいて、暇な時間に提案してやってみます。
例えば
・アナログゲームを家族や兄弟でする
・アレクサやグーグルで好きな曲を聴く
我が家の子どもは、ゲームミュージックを聞きたがります。
「Amazon music unlimited」に契約すると、かなりマイナーと思われるゲームミュージックでもかけてくれるので、Amazonの「 Echo show」で楽しんでいます。
・後述のユーチューブ動画を一緒に実践する
・絵を描く など
やることを決めておいて、暇になったら声掛けして提案してみましょう。
ユーチューブ動画を一緒にやってみる
ユーチューブの工作の動画は興味をひくものがたくさんあります。
お料理動画は男女問わず、意外と子どもたちは興味を持ちます。
我が家の小学生男子は普段料理に興味がないのですが、ユーチューブで「ゆっくり」と言われるゲーム実況によく使われるフリー素材が解説する、料理動画に興味をもち、「これ作りたい」と自分で言ってきました。
はやりのダンスを真似てみるのも面白いです。
動画やキャラクターの力を借りて、ふだんしない活動につなげるチャンスはありますよ。
子どもがどんな動画を見ているか、チェックしておいて、活動にさそってみるといいですよ。
スマホゲームをきっかけに外へ連れ出す
家で引きこもってゲームをする子どもを、外に誘っても外出してくれなくなってきますね。
でも、地図とリンクしたスマホゲームなら外にでてくれるかもしれません。
スマホの位置情報とリンクしており、自分が住む近所の地形とゲームが一体化して、バトルができるゲームがあります。
「ポケモンgo」、「ドラゴンクエストウォーク」、「妖怪ウォッチ ワールド」などがそれにあたります。
この場合結局ゲームをやっていますが、外で歩くことにメリットがたくさんあります。
・インドアな子でも体力づくりができる
・日光を浴び、リズム運動(歩く)ができる
日光を浴び、歩くことで、体内で心と体を安定させるセロトニンを作ることができます。
ゲームにハマる時期は家の中で鬱々としがちになり、外へ連れだすのは難しくなってくるのですが、ゲームの力があれば、連れ出すことができる可能性がぐっとあがります。
ゲームをやってはいけない時間を家の中でイライラして過ごすより、ゲームをやりながらでも外歩きのメリットを受け取ってすごせるほうが、成長につながるのではないでしょうか。
外遊びが好きでない我が家のインドアな息子も、ポケモンgoのためなら、歩いたり、自転車で移動してくれます。
いかがでしょうか?
ただ、ゲームやユーチューブを規制をすることだけを念頭に置くと、結局お互いいらいらして、うまくいかないように思います。
ルールを決めて、一時はうまく時間制限できても、すぐにまた多くなりがちなゲームやユーチューブの時間。
しかし、ゲームやユーチューブは子どもがどんな事に興味をもっているのか反映されるので、子どもの好きな事や得意がみえてきます。
うまく利用して別の活動に誘うことができれば、結果的に使用時間もへります。
子どもの活動範囲を広げることもできるため、ゲームや動画を成長を促すために利用しようという視点で考える方が、うまくいくのではないでしょうか。
コメント