発達障害の子どもが漢字を覚えられない!
小学生で漢字が覚えられなくて、困っているお子さんはいらっしゃいませんか?
漢字を勉強すると、癇癪を起こしてしまう
鏡文字(文字を逆に書く)が多い
文字が同学年と比べてかなり下手
単元の漢字テストが全然正解がない…
こんなに覚えられなくて、この先漢字は大丈夫?と心配になりますね。
漢字学習は、学年が上がるごとに画数も増え、覚える漢字数も増えていきます。
漢字学習が進まず、子どもが学習で怒っているようなら、漢字学習の方法があっていないのかもしれません。
子どもにとって苦手な事を繰り返しさせると、苦しくて癇癪をおこします。
我が家の小学生の子どもも、一時期、漢字学習で癇癪をおこしていました。
子どもの得意に合わせたやり方に学習方法を変えてから、テストの平均点はあがり、子どもも怒らず取り組めるようになりました。
ここでは子どもの得意を生かした学習方法を紹介します。
どうして漢字が苦手なの?
発達障害やグレーゾーンの子どもで、漢字学習がすすまない理由は色々考えられます
・特性で漢字の形を捉える事が苦手
・書くことが苦手で苦痛
・記憶力が低い
そういった子どもの苦手はあまり考慮されず、学校では繰り返し書いて覚える方法が採用されています。
不器用で書くことが苦手な子どもに、繰り返し書かせると、苦手な事を集中的に続けてさせられるので、嫌になってしまいます。
漢字の形を捉える事が苦手な子どもは、右側の「つくり」と左側の「へん」を逆にしたり、左右おかしな位置で書いてしまいます。
そんな子どもは、漢字を見ると、そのまま写すだけでも難しく、つらいと思っているでしょう。
記憶が苦手な子どもに、単調な繰り返し学習をさせても、なかなか覚えられません。
覚えられないのに、新しい漢字が入ってきて、また大量に漢字を書く練習…
これでは意欲を失ってしまいます。
また、苦手な事の学習は、時間がかかる割には、努力が報われにくい傾向があります。
そもそも苦手な事を子どもは取り組みたがらないので、勉強を無理にやらせると、癇癪をおこして、親子ともにストレスをうけがちに…。
苦手を繰り返してやらせるのでなく、子どもが得意な能力をつかって勉強をすすめた方が、学習は楽で、はかどります。
得意を使って漢字学習をすすめよう!
発達障害やグレーゾーンの子どもは、目で見る事が得意な「視覚優位」の子どもが多いという事を聞いたことがある人もいると思います。
しかし、耳からの情報を覚える事の方が得意な「聴覚優位」な子どももいます。
両方のパターンの学習サポートの仕方を紹介したいと思います。
苦手ではなく、子どもの得意を利用して漢字学習を進める方が効率があがりますよ。
視覚からの理解が得意な子(視覚優位)
見て理解する事が得意でも、細かい所を捉えることが苦手な子がいます。
このタイプの子どもは、漢字を部品に分け、それぞれ位置関係も把握していくことをおすすめします。
例えば、「安」だと「ウ」と「女」に分けます。
「ウ」は上で、「女」が下になることを捉えます。
宿題に活用すると、こんな感じで分けます。
書き順はこだわらない方がうまくいきます。
聴覚からの情報が得意な子(聴覚優位)
聞いて理解する事が得意な子は、「書き方を言葉にして、声に出して唱える」方法がおすすめです。
例えば、「名」という漢字は「タローはあなたの名前だよ」などと覚え方の文をつくります。
覚え方の文を自分で作れるといいのですが、全く思いつかない事もよくあったので、そんな時は、下記の本で例文をみながらやりました。
なんと、この本は小学校で覚える全漢字の覚え方の例文がのっています。
例文を作った方は本当にすごいなと、頭の下がる気持ちになります。
この本の特徴は
・小学校で覚える全漢字の覚え方の例文がある
・カードとして切り取って使える
・フルカラーで絵もかわいい
他には、書き順を唱えて覚える「ミチムラ式漢字学習法」という学習方法もありますよ。
我が家はこうしました
我が家は、小学生の息子が低学年の時、だんだん漢字が覚えられなくなり、苦手意識が高まっていきました。
そこで宿題の漢字ドリルノートに下記のような工夫を、下書きさせてもらいました。
・苦手な模写は最小限に減らす→覚える漢字以外の例文は私が転記する
・漢字を書く回数を減らす→繰り返しは最高3回まで
・漢字を分解して、位置をとらえやすくする
宿題のドリルノートに書く量は、5分程度で終われる量に調整しました。
それから、上記の「小学全漢字覚えるカード」の例文を唱えたり、自分で例文を作って、唱えて覚えました。
覚え方の例文を伝えると、「ぼくならこうだ!」と言って自分で考えたものを教えてくれる事もありますよ。
そうやって、自分でオリジナル文を考える事で、記憶にも定着しやすくなります。
翌日は、前日の漢字を紙でなく、宙に人差し指で書いたり、覚え方の例文をヒントとして出して、復習しながら、記憶への定着をはかりました。
聞くことが得意なタイプの子どもなので、このやり方だと、復習も負担にならず、怒らずに復習に取り組んでくれました。
学校の先生にも配慮をお願いしよう
周りの子と同じように宿題をしないと、先生からの指摘を受けたり、やり直しの赤字を入れられることもあります。
修正の赤字を見て、気落ちしたり、怒る子もいるので、先生に配慮をお願いしましょう。
漢字宿題の配慮として、我が家では、こんなことを先生にお願いしました。
発達の特性と、具体的な対応を先生に伝えます。
・巧緻性の問題で、文字を繰り返し書くことがつらい→繰り返しは3回までにする
・漢字の形を捉える事が苦手→親が漢字を分解して下書きする
・勝ちへのこだわりがあり、間違える事に抵抗があり、自分を責める
→誤りの指摘はせず、できている所に〇だけする
こうやって、書くことを減らして、唱える耳からの学習を追加してから、漢字テストの平均点が明らかに上がり、記憶の定着がよくなりました。
いかがでしたか?
学校のやり方では明らかに覚えられない時、視覚や聴覚の、得意に合わせた学習方法をつかって、子どもをサポートしましょう。
苦手でできないことを無理にやらせ続けると、どんどん学習を嫌いになっていきます。
宿題が辛い時間にならないためにも、子どもの得意に合わせて、無理なく、学びの時間にかえていきましょう!
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